子どもの褒め方のコツ

子どもの褒め方のコツ

こんにちは、スイサポの齋藤です。
スイミングに限らず、塾やその他の習い事に通う我が子に対して、どんな事にも自信をもって挑戦できる子に育って欲しい!そんな想いをお持ちのママさん、パパさんも多いと思います。

練習を頑張った日はたくさん褒めてあげたいし、上手くいかなかった日は励ましてあげたい。
でも、どんな言葉が子どもの成長に良い影響を与えるのでしょうか?

今回は、マシュー・サイド氏の著書 『非才!あなたの子どもを勝者にする成功の科学』 で示されている考え方を参考に、子ども達への褒め方のコツを考えていきたいと思います。

今回は、水泳初心者の子どもを対象とした声掛けですが、ジュニアアスリート、学生アスリート、運動愛好家の成人など、様々な方々に応用できる考え方です。

この本では「才能」ではなく「努力や挑戦」に着目した子どもの成長メカニズムが取り上げられており、子どもへの声かけを考えるうえで有益な示唆を与えてくれます。

スイサポの現場で実際に感じる「子どもの伸びる褒め方」と、この本の示唆する「努力と挑戦を重視する考え方」を組み合わせ、「今日から使える褒め言葉のコツ」をまとめました。
ぜひ、ご家庭での声かけの参考になれば幸いです。


子どもの褒め方のコツ子どもへの声掛けの目的

まずは、ここを整理しておかなければいけませんね。結論から言うと、子どもへの声掛け (=褒める行為) の目的は、

成長のための気構え (=成長志向のマインドセット) を育てることにあります。

もう少し具体的に言えば、
ぎりぎり手の届かない目標を追いかけ、挑戦を続ける力を育てる事 これが、子どもへの声掛け (=褒め方) の最大の目的なのです。


子どもの褒め方のコツ子どもが“伸びる褒め方”とは?

では、どんな褒め方が子どもの成長を後押しするのでしょうか??
それは、才能よりも努力を肯定する声かけです。

子どもが水泳(他の習い事も含む)を頑張る姿を見ていると、つい「すごいね!」「才能あるね!」と褒めたくなるものです。

しかし、最新の研究やこの書籍では、この褒め方は返って子どもの成長を抑制してしまうと書かれています。

母親や父親の声かけは、子どもにとって特別なもの。

知識やスキルは教えてあげられなくとも、日々の声かけが子どもにとって一番のエネルギーです。
だからこそ、褒め方を少し変えるだけで、子どもはより挑戦し、失敗を恐れず、努力し続ける力を身につけることができれば嬉しいですよね。

という事で、今回は、
▶︎良い褒め方
▶︎やってはいけない褒め方
▶︎スイサポで取り入れている声掛け

を僕なりにまとめてみたので、
ご紹介していきます。


子どもの褒め方のコツ良い褒め方

子どもの褒め方のコツ「努力」を褒めることが、
子どもを挑戦へ向かわせる

この本で繰り返し強調されるのは、傑出性は、才能ではなく努力と経験の蓄積から生まれるという考え方です。

傑出性(けっしゅつせい)
一般的には「抜きん出て優れていること」を意味します。いわゆる“天賦の才”というやつです。

こちらの書籍では、この傑出性を様々な研究をもとに以下の様に定義されています。

ぎりぎり手が届かないものを追い続け、完全には成功しない。それでも挑み続ける姿勢の中で生まれる能力

努力の継続が生み出す卓越性” という訳です。

つまり『非才』における傑出性とは、生まれつきの才能ではなく、長期間の努力・練習・経験の蓄積の結果として得られる力を指しています。

これは、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が提唱した「成長マインドセット(努力で能力は伸びると捉える思考)」と一致します。
褒め方のポイントをまとめると、以下の通りです。

どもの褒め方のコツ成長を促す具体的な声かけ例

「今日の練習、よく集中してたね。」
・ 「昨日できなかった事に挑戦できて良かった。」
・ 「その失敗は次に活きるね。挑戦できて凄い。」


これらは 過程(努力・戦略・継続) を褒めているため、子どもは「もっと挑戦しよう」と自然に考えるようになるとされています。

子どもの褒め方のコツ書籍で強調されているポイント

・ 「頭が良い」「才能がある」と褒めるより、努力のプロセスを褒める方が子どもは難しい課題に挑む
・ 失敗を善悪で判断しない
→「それで良い、良い方向に向かっている」
・ 成長の“気構え”をつくるのが大人の役割


この様に褒めて行く事が大切な様です。
どんなに速い水泳選手も、魚の様に産まれた瞬間から速く泳げた訳ではありません。
顔つけやブクブクぱっ!など基本的な所からスタートしているはずです。

ひとつ違うのは、周りの人よりも水泳を楽しみ、夢中になるほどに練習と失敗を重ねているという事
だからこそ、成長したくなる気持ちを作ってあげる事が我々大人の大切な役割だと考えています。


子どもの褒め方のコツやってはいけない褒め方

『非才』でもっとも強く警告されているのが、才能を褒めることの弊害です。

「すごいね!」「才能あるね!」「自慢の子」

一見ポジティブに聞こえますが、この様な褒め方をすると、子どもは “特別な自分を守らなければならない” と感じて挑戦を避けやすくなります。

失敗をしてはいけないプレッシャーを感じたり、「できない=才能がない証拠」と感じるようになり、失敗を恐れ、チャレンジ精神が失われていくとされています。

『非才』ではこの状態を、才能の世界に閉じ込められ、苦労を避けるようになると説明しています。

成功の要因は、ぎりぎり手が届かないものを追い続け、完全には成功しない。それでも挑み続ける姿勢の中で生まれる能力と定義されているので、失敗を恐れてギリギリを攻めない。
そんな練習が続くと、挑み続ける子にいつか抜かれてしまうのです。


子どもの褒め方のコツ子どもを伸ばす最良の環境は
「失敗しても肯定される家庭」

『非才』で繰り返し示されるのは、失敗をどう扱うかが子どもの成長を根底から左右するという視点です。
これは心理学研究でも繰り返し裏付けられている、非常に確立した知見です。

失敗を肯定すると、子どもは「学習モード」に入る

心理学の実験では、「失敗=能力不足の証拠
と認識する子どもより、「失敗=学習の途中
と捉える子どもの方が、脳の活動が学習に向いた状態になることが確認されています。

これは、先ほども少し触れましたが、
・努力や戦略を肯定された子どもは、失敗した直後に脳活動が増加し、課題を続けようとする。
・能力(才能)を褒められた子どもは、失敗直後に活動が低下し、課題から撤退する傾向がある。


という神経科学的なエビデンスが報告されています。

つまり、“失敗した瞬間の声かけ”が、子どもの脳の反応そのものを変えるのです。

子どもの褒め方のコツ過程を尊重する言葉は、“粘り強さ”をつくる

『非才』の中で紹介されている、アスリートや著者の卓球経験の具体例は、日々の反復の積み重ねが傑出性を生むことを明確に示しています。

これは「才能」ではなく、意図的練習 を 継続する(具体的には1万時間行う)ことの結果だと書かれています。

つまり、失敗を恐れずに練習させ続けるしかないのです。子どもは褒められた内容を努力する基準にする傾向にあるので、目標や結果ではなく「過程」を認められるほど、

▶︎毎日練習を続ける意欲
▶︎細かな改善に気づく力
▶︎できない理由を分析する姿勢


が育ち、最終的には “自分で自分を伸ばす子” になります。

子どもの褒め方のコツスイサポで取り入れている声掛け

実際に、私が子ども達へ水泳指導をしている際にどの様な褒め方・声掛けをしているのかご紹介していきます。

初めてクロールに成功した時

ナイス!ついにできたね!
今まで、たくさんチャレンジしてきたからできたんだよ。

目標を達成した時

いいね!作戦通りにできたね。
これができる様になったから、今度はこんな事ができる様になるよ!また一緒にやってみる?

なかなか目標がクリアできない時

ナイス、チャレンジ。
今のはここが良い感じだった。あとは、この辺ができる様になるとうまく行くかな!

そのためには、〇〇と◇◇ができる様になると達成できるよ!どっちから挑戦してみる?

よし、だんだん良くなってきてる。
あと何回くらい練習してみようか?

不安でなかなか挑戦できない時

これ、難しいよね?どの辺が不安なの?
どこまでなら挑戦できそう?

そうか、〇〇までならできそうなのね!
そしたら、一回〇〇までやってみようか!

今の良かったよ!
そんな形で進めればできる様になるよ!

まとめ

という事で今回は、マシュー・サイド氏の著書 『非才!あなたの子どもを勝者にする成功の科学』 で示されている考え方を参考に、子ども達への褒め方のコツを考えていきました。

僕自身も、子ども達の成長やチャレンジ精神を伸ばすために参考にしている部分も多いため、ぜひ気になる方は読んでみてください!

それでは👋

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